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新型コロナウイルス感染症

いつまでも流行の治まらないコロナ感染症・・・何を注意すればいい?



1. 富山県における新型コロナウイルス感染症の現状
覚えていますか?。2020年3月30日、富山県内で初めて新型コロナウイルス感染者が発見されました。その後、老人保健施設や感染症指定病院である公立病院でもクラスターが発生し、県内の医療や介護の現場は騒然としました。特に老健でクラスターが発生しましたが、その後も介護 の領域でのクラスター発生が危惧されたにもかかわらず、十分な支援がなされたとはいえない状況が続いています。

以前は発見国名によりイギリス株、インド株などと言われていましたが、現在ではギリシャ文字による呼称を使うことになっています。


京都大の西浦博教授(理論疫学)は、感染力が従来株の約1.8倍であり、7月中旬に半数、7月末には8割の感染がデルタ株になるとの試算を発表しています。それぞれの変異株はいくつかのスパイク蛋白変異を持っており、N501Y、E484Kと言ったように表現されています。中でもN501Yは感染力の増加に、E484Kは免疫逃避に関与すると言われています。
ウイルス変異のため、今後も新型コロナウイルス感染症に向けた対応を継続しなければならない可能性もあります。変異株の増加に伴い、従来株では罹患しにくく、重症化しにくいと言われていた若い年代でも、感染者の増加や重症化が増えています。今後も新型コロナ感染症の感染力と重症化リスクは増悪していくものと思います。
※変異:増殖する際に発生する突然変異。

伝搬性(感染性)と重症化のリスク ▶︎ Delta株>Alpha株>従来株



コロナウイルスワクチンは3種類が厚労省より認可されています。そのうち住民接種にはファイザー製ワクチン、大規模接種および職域接種にはモデルナ製ワクチンが使用されます。また、現在アストラゼネカ製ワクチンは国内では使用されていません。
ファイザー製およびモデルナ製ワクチンはmRNAワクチンであり、有効率等もほぼ同等と考えられます。アストラゼネカ製ワクチンはベクターワクチンと分類されています。



ワクチン接種後約2週間でほぼ期待された有効率となるため、ワクチン接種後も有効となる時期までは注意が必要です。
ワクチン接種後は接種部位の疼痛や発熱などの副反応の強いワクチンです。しかし、ワクチンの重大な危険性については、最近あまりマスコミでも取り上げられないことでもわかる様に、比較的安全と考えられています。若い世代では将来の妊娠等について心配される方もおられますが、現時点では問題となっていません。



医療・介護に携わる職種の場合、自分たちの接する相手は高リスクであることを認識する必要があります。特に高齢者の場合、本人が高リスクであるとともに理解に乏しく、自分で自分を守ることができず、危険性の正しい認識も困難と考えられます。危険性を認識できない場合やいたずらに怖がっている場合など、個人の理解の程度はさまざまです。それらの方々の健康と安全を守るためにはプロフェッショナルである自分たちが、正しい知識を持ち正しい方法で感染予防を行う必要があります。
コロナウイルス感染症は潜伏期が長く、最長14日程度と言われていま す。また、発症の数日前から感染力が増すため、発症してからの対応では間に合いません。日常的に感染対策を行う必要があります。さらには、すでに感染しウイルスをばら撒いているにもかかわらず、症状がないもしくは軽症の方も多くいます。
自院でも腹痛・下痢・発熱で来院、唾液PCRで陽性となった方もいます。症状は全くの「胃腸炎」ですが、発熱の持続もあったために唾液PCRを行いました。新型コロナウイルス感染症は症状も多彩であり、臨床症状だけでは診断できません。


医療や介護に携わるのであれば、人との接触は避けられません。その場合には、症状の有無に関わらず、全ての場合において感染症を持っている可能性があるとの想定で対応が必要です。日常生活を対象とし、人の接触を避けられない介護の現場においてはたいへん難しい課題ですが、スタンダードプリコーションを意識した対応が求められています。

他人との接触で最も重要なポイントは、濃厚接触者にならないことを意識した行動が必要 です。濃厚接触者にならない行動がすなわち感染する可能性の小さな行動と言えます。新型コロナウイルス感染症は主に飛沫感染を意識し、粘膜(口・鼻・眼)からの感染を防ぐことが重要です。感染者の85%は「マスクなしの会話」が関与していると言われています。
コロナウイルスの流行以前は咳やくしゃみなどの症状のある人にマスク着用が推奨されていたのに対し、今のコロナ時代には症状の有無にかかわらず、屋内や人 との距離が保てない環境では全ての人がマスクを着用する「ユニバーサルマスク(Universal Masking)」が重要です。人にうつさない、人からもらわないためにも、全ての人が常時マスクを着用することが推奨されます。医療や介護の現場では、相手に厳密なマスクの着用を期待できないことも多く、介護者側の厳密なマスクが必要です。また、ウレタンマスクは効果がないとされています。
濃厚接触の判断は顔の粘膜(眼・鼻・口)からの感染の可能性があるか否かによって決まります。相手がマスクを着用しているのであれば、マスク装着で低リスクとなりますが、相手がマスクを着用していない場合は目の粘膜保護(ファイスシールド、ゴーグル)が必要になります。眼鏡着用だけでは不十分と判断され、フェイスガード・ゴーグルが必要です。高リスク・中リスクでは感染の可能性がなくなる期間の就業制限が必要になります。実際の就業制限については、通常保健所が判断します。

濃厚接触の判断

  • ・手で触れることの出来る距離(目安として 1 メートル以内)で、適切な個人防護具を使用せず、一定時間(目安として 15 分以上)の接触があった場合

・ 患者の気道分泌物もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い場合


さらには、つい顔やマスクを触ってしまうことにも注意が必要です。原則として触らない、触る場合には手指消毒を行ってからにしましょう。そしてやってしまいがちな「鼻出しマスク」「顎マスク」にも注意しましょう。
日常生活では休憩中や食事中にマスクを外して3分以上会話した場合には濃厚接触となります。職場でも昼食や休憩の時には注意が必要です。どこでもマスクを外した瞬間にリスクが大きくなることに注意が必要です。現時点では濃厚接触者の判断には予防接種の有無は考慮されておりません。
人と接触する場合には、いつでもコロナウイルスの感染リスクを評価した行動が重要です。

世界で最もワクチン接種がすすんでいると言われているイスラエルにおいては、6月15日からマスクの着用義務が解除されていました。しかしデルタ株の急増により6月25日より再度マスクの着用義務が復活することになりました。アメリカでも一部の州ではマスク着用が復活したとの報道もあります。
7月5日のイスラエルの発表ではファイザー社製ワクチンのデルタ株への感染予防効果は64%と低下、重症化予防効果は95%程度であったとの報告もあります。また、イングランド公衆衛生庁の報告では発症予防効果はデルタ型で88%と報告されています。どちらにせよワクチン接種をしていてもデルタ型の感染予防効果は従来株に比して低下しています。
富山でもデルタ株が増えつつあります。また石川県では爆発的に感染が増えており、その影響か県西部では感染者か増えています。ワクチン接種は感染しにくい、さらには重症化しないとの大きな利点はありますが、変異株に対してはかなり効果が落ちることを理解する必要があります。マスクを着用すること、食事などでマスクを外した際には喋らないこと、これらはまだまだ続けなければなりません。

2021年8月